アルプスのドライブ旅行でモバイルデータ通信がより重要な理由
都市観光なら、ホテルのWi-Fiとときどき立ち寄るカフェで何とかなります。アルプスのドライブ旅行は違います。山道をナビで進み、峠が開通しているかを確認し、給油や駐車場所を探し、待避所で翌日の宿を予約することもよくあります。そのほとんどはWi-Fiのない場所で、しかも多くは国から国へ移動している最中に行います。
典型的なルートは、チューリッヒやジュネーブから出発し、ベルナーオーバーラントやヴァレー州を上り、イタリアやオーストリアに入って、チロルとフォアアールベルクを通って戻ってくるというものです。1週間で4〜5か国を訪れることもあり、その中には30分もかからずに通り抜けられるリヒテンシュタインのような小さな国も含まれます。国境を越えるたびに、スマートフォンのプランの料金がひっそり変わったり、使えなくなったりする可能性があります。
この記事では、出発前のデータ通信の設定、特にスイスの国境での注意点、谷・峠・トンネルでの電波状況、そして数少ない圏外が問題にならないルートの立て方を解説します。
スイスの問題:EU加盟国ではない
アルプスをドライブするすべての人にとって最も役に立つ事実は、スイスが欧州連合(EU)にも欧州経済領域(EEA)にも加盟していないということです。「ローム・ライク・アット・ホーム(Roam like at Home)」とも呼ばれるEUのローミングルールは、EUとEEAの域内で適用されます。スイスは自動的には対象になりません。
EU加盟国のプランをお持ちなら、オーストリア、イタリア、ドイツ、フランス、スロベニアでのローミングはこのルールで含まれている場合がありますが、スイスでは別の、ときにはるかに高い料金がかかることがあります。サービスとしてスイスを含めている通信会社もあれば、含めていない通信会社もあります。詳細は変わるため、前回の旅行のときの情報に頼らず、国境を越える前にご契約の通信会社の最新の規約を確認してください。
イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、EU域外のプランをお持ちの場合は、ルート上のどこでもEUのルールの保護を受けられない可能性があります。その場合、旅行で訪れるすべての国がローミングの対象国となり、料金は完全にご契約の通信会社の海外向けオプション次第です。
一方、リヒテンシュタインはEEAに加盟しているため、EUのプランには一般的にEUのローミングルールが適用されます。小さなことですが、スイスとオーストリアの間のライン川の谷沿いのルートでは、何度か通り抜けることがあります。
複数の国を走るドライブでのデータ通信の準備
アルプスのドライブ旅行でつながり続ける現実的な方法は3つあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、どれが合うかは今のプランと越える国の数によって変わります。
今のプランでローミングする
ご契約の通信会社がルート上のすべての国を納得できる料金でカバーしているなら、最も簡単な方法です。何もインストールする必要はありません。リスクはスイスや、パックの対象外の国です。そうした国では1日ごとの料金や1MB単位の料金がすぐにかさむことがあり、特にナビアプリが一日中地図データをダウンロードしている場合は注意が必要です。
1つの国で現地SIMを買う
旅行の大半をスイスかオーストリアのどちらか1か国で過ごすなら、その国でプリペイドSIMを買うのも有効です。ただしドライブ旅行では、スイスのSIMをオーストリアやイタリアで使うとそのSIM独自のローミング規約が適用され、オーストリアのSIMをスイスで使うと前述のEUとEU域外の差に直面します。また、店舗を探し、登録のための本人確認書類を用意し、物理SIMのスロットを1つ使う必要があります。
ドライブ旅行で使うデータ量
ドライブ旅行は、ナビ、音楽、ちょっとした検索が一日中続くため、思ったよりデータを使う傾向があります。以下の数値は、計画のためだけの大まかな目安です。実際の使用量は、スマートフォン、アプリ、設定によって変わります。
- リアルタイムの交通情報付きのナビ:運転1時間あたりごく大まかに5〜20MBで、オフラインマップをダウンロードしておらず、アプリが航空写真を取得している場合はさらに増えます。
- 音楽配信:音質の設定により、1時間あたりおよそ40〜150MB程度のことが多いです。事前にWi-Fiでプレイリストをダウンロードしておけば、その大半をなくせます。
- メッセージ、メール、ウェブ閲覧:ライトユーザーなら通常1日数百MBで、写真やボイスメッセージを送るとさらに増えます。
- 写真や短い動画のアップロード:大きく変わります。山の景色をフル解像度で1日中共有すると、1GB以上使うことも珍しくありません。
- 自宅へのビデオ通話:画質により、1時間あたりおよそ数百MBから1GB超です。
出発前に自宅で準備を
eSIMのインストールにはインターネット接続が必要なため、国境近くの高速道路のサービスエリアではなく、出発の1〜2日前に自宅のWi-Fiで済ませておきましょう。
- お使いのスマートフォンがeSIMに対応し、SIMロックが解除されているか、対応機種を確認します。*#06#にダイヤルしてEID番号が表示されるか確認しましょう。
- プランを購入し、メールで届いたQRコードでインストールします。iPhone、Samsung、Pixel向けの手順付きガイドがあります。
- 後で正しい回線を選べるよう、「自宅」「旅行」のように回線にわかりやすい名前を付けます。
- ナビアプリで、ルート全体と各地域の周辺を含むオフラインマップをダウンロードします。
- 音楽、ポッドキャスト、同乗者向けのダウンロード可能なエンタメをダウンロードしておきます。
- 予約確認書、レンタカーの書類、高速道路のビニエット(通行券)の領収書を、スクリーンショットやPDFでオフラインに保存しておきます。
国境ごとに起きること
複数の国に対応したeSIMなら、国境を越えても通常は何も起きません。国境に近づくと、スマートフォンはしばらく出国する国のネットワークにつながったままで、その後新しい国のネットワークに切り替わります。国境沿いを走る山あいの谷では、スマートフォンが両方のネットワークを行き来することもあります。これは普通のことで、対象の国であれば何も変わりません。
トラベルeSIMはローミング回線として現地のネットワークに接続するため、トラベルeSIMのデータローミングがオンになっていることを確認してください。各スマートフォンでのスイッチの場所はデータローミングのガイドで紹介しています。スイスを含むどの国でも料金が発生しないよう、今のSIMのデータローミングはオフにしておきましょう。
国境を越えた直後にデータ通信が止まったら、機内モードをオン・オフするか、スマートフォンを再起動してください。これでネットワークを探し直させられます。それでもつながらない場合は、eSIMのネットワーク設定を開いて手動でネットワークを選び、落ち着いたら自動に戻してください。
谷、峠、トンネルでの電波状況
スイスもオーストリアも、主要道路や鉄道路線沿い、町やリゾートでは、モバイルネットワークがよく整備されています。それでも、山は山です。電波は人のいる場所に届き、アルプスでは人は主に谷に住んでいます。
谷底と町
インターラーケン周辺、マッタータールを通るツェルマットへのアプローチ、インスブルック周辺のイン川の谷など、町、リゾート、谷を走る主要道路沿いでは、使える程度の電波が期待できます。旅の計画や予約の大半は、こうした場所で行うことになります。
標高の高い峠と脇の谷
標高の高い峠、狭い脇の谷、最寄りの基地局から見て尾根の反対側では、しばらく電波が弱くなったり途切れたりすることがあります。そんなときこそオフラインマップの出番です。峠に向かう前に、開通しているかを確認し、必要なものをダウンロードしておきましょう。季節限定の峠は冬に閉鎖され、早めや遅めの降雪の後に閉鎖されることもあります。こうした情報は、峠の途中より町で確認するほうが簡単です。
長いトンネル
アルプスには、ヨーロッパでも有数の長い道路トンネルと鉄道トンネルがあります。長いトンネル内の電波状況はさまざまなので、トンネル内でも動画配信や通話が続くとは考えないでください。ナビアプリは通常しばらくGPSの推定で動き続け、オフラインマップがあればルートは画面に表示されたままです。トンネルを通るカートレイン(車両輸送列車)でも、圏外を想定しておきましょう。
ナビとドライブに役立つアプリ
オフラインマップを先にダウンロードしておけば、主要なナビアプリならどれでも十分です。アルプスを抜ける最速ルートが最も景色のよいルートとは限らず、常に開通しているとも限らないため、ルートのプレビューで峠、有料トンネル、カートレインを確認しておく価値があります。
スイスもオーストリアも、ほとんどの高速道路でビニエット(通行券)が必要で、オーストリアの一部のトンネルやアルプスの道路では別途通行料がかかります。ビニエットは公式の販売元からのみ購入し、確認書類をオフラインで見られる場所に保存しておきましょう。ルールや選択肢は変わるため、旅行前に各国の公式情報を確認してください。
峠に向かうかどうかを決める前に状況を確認するため、山岳地帯のドライバーには天気アプリやライブカメラのアプリが人気です。ガソリンスタンドや充電スタンドのアプリは、スタンドの間隔が広い静かな地域で役立ちます。いずれも、電波のよい町で確認してから出発するのが一番です。
同乗者とデータを共有する
家族やグループでの旅行では、1台のスマートフォンが車のアクセスポイント役になることがよくあります。通常はスマートフォンのテザリング(インターネット共有)でトラベルeSIMのデータを共有でき、同乗者はタブレットやノートパソコンを使えます。後部座席のタブレットで動画を配信すると、ドライバーのスマートフォンが1日に使う量より多くのデータを1時間で使うこともあるため、使用量に気を配りましょう。設定についてはeSIMのデータを共有する方法のガイドで解説しています。
テザリングをすると、特にナビも同時に動かしていると、バッテリーの減りが早くなります。長いドライブの日には、車載充電器か車のポートにつなぐUSBケーブルがほぼ必須です。
シャレー、山小屋、ホテルのWi-Fi
アルプスの宿泊施設のWi-Fiは、快適なホテルのネットワークから、建物の全員で共有する人里離れたシャレーや山小屋の遅い回線までさまざまです。夜に計画を立てるには、モバイルデータ通信のほうが安定していることがよくあり、毎晩新しいネットワークにログインする手間も省けます。
ホテル、カフェ、サービスエリアの公衆Wi-Fiを使うときは、暗号化された接続を使うアプリやウェブサイトに限り、モバイルデータ通信が使えるなら共有ネットワークでのネットバンキングへのログインは避け、オープンなネットワークへの自動接続はオフにしましょう。詳しくは、トラベルeSIMは安全かの記事をご覧ください。
ドライブのためのシンプルなチェックリスト
毎朝出発する前に2分間の習慣を続けるだけで、その日の後のトラブルのほとんどを防げます。
- 電波がよいうちに、その日の峠と道路状況を確認する。
- 寄り道も含め、その日のルート全体がオフラインマップでカバーされているか確認する。
- データ残量を確認し、残りが少なければ追加する。
- スマートフォンとモバイルバッテリーを夜のうちに充電しておく。
- 翌日の宿の予約情報をオフラインで保存しておく。
- 混雑した立ち寄り先で電波を失った場合に備え、同乗者と待ち合わせ場所を決めておく。
よくある質問
ヨーロッパプランを使う場合、スイス用に別のプランが必要ですか?
電波のないトンネルや峠でもナビは使えますか?
トラベルeSIMのテザリングで、車いっぱいの同乗者が使えますか?
国境を越えたらデータ通信が止まりました。どうすればいいですか?
代わりにオーストリアやスイスで現地SIMを買う価値はありますか?
この旅行向けのプラン
出発前にプランと最新の料金をご確認ください。お支払い後すぐにQRコードをメールでお届けします。